「AI・VR・インバウンド」はネガティブコンテンツ? 大激戦の横須賀市長選・有力女性候補者の信じがたい「昭和な価値観」を問う【林直人】
■「49歳までヒモだった」苦労人の現役市長が成功した「AI&メタバース革命」
そもそも現在の横須賀市長である上地克明氏は苦労人として知られている。
「早稲田大学卒業後、議員秘書などを経て49歳までは定職がなく、大手航空会社に管理職として勤務していた奥さんに生活の面倒を見てもらっていました。有名芸能人の長男と地元でも愛されている次男の四人家族で大の愛妻家・新しもの好きとして知られています。ミュージシャンとしての実力は玄人はだしでプロデビューもしているほどです。この市長はここ数年、AIとメタバースにハマり、横須賀市役所では全庁でChatGPTを導入しています。業務効率が上がったことから、市職員は市民の声に対応できるようになり、日曜日でも市役所の相談窓口はオープンにしているほどです」(横須賀政界関係者A)
対立候補として出馬したトップ当選市議との関係も良好だったという。
「昨年12月までは市長を尊敬していますと繰り返し発言し、4〜5回も政策懇談としてディナーもともにするほどの仲でした。それがAIも駄目、メタバースも駄目、インバウンドも駄目という反対ばかりの公約を掲げる候補になるとは……」(横須賀政界関係者A)
「実際に市議会議員として8年間、上地市長案の議案に反対したことは一度もありません。それがこんなふうになるなんて思ってもみませんでした」(横須賀市役所幹部D)
■参政党風の政策に寄せてきた39歳トップ当選女性市議
トップ当選女性市議の政策の異様さを指摘する別の声もある。
「どうも最近の政策が参政党っぽいんです。新人候補のインスタでも”観光客ではなく住民のための横須賀に”[注1]という話しをしていますが、横須賀に来る観光客の多くはインバウンド、つまり外国人です。外国人排斥と言わずに外国人排斥を意図する。このあたりも参政党っぽさを感じます。他にも公約の中にある地産地消給食、これは適地栽培適地消費を進めてきた近代経済学、グローバリズムの否定です。オーガニック給食など参政党の支持者、もっと言えばいままでの自民党の支持者の1/4ぐらいも取り込みたいという意欲を感じずにはいられません」(横須賀政界関係者C)
さらに他の関係者が続ける。